国道を制覇したい

この記事は910production Advent Calendar2020の21222324日目(カス)の記事です。

誰がなんと言おうと12月20日の翌日は12月24日です、実は。

担当はK-Enter*1です。よろしくおねがいします。

なんか下書きしている途中に前の記事が上がったんですが、こういう公式っぽい文章でも、K-Enterではなく健太って書かれるようになってきたみたいですね。

これに言及することも今更になってきた気がしますが。

今回も前年度同様お茶を濁します(書かないよりはマシらしいんですが、本当ですか?)。

前回あまりにも見づらかったので、今回はちゃんと目次を付けます。

「本題」、マジで読まなくていいらしいです。

前置き(という名の本題)

今年はなんか3月くらいに寿司肉*2 とかいう神と国道一号線を(車で)走破する*3とかいうのをやったので、それについて書いても良いな、とか思っていたんです。

しかし、まあほとんどずっと運転席を譲らなかったため(寿司肉さんごめんなさい)、 写真などを撮ることもできず、なんか時間カツカツで何もゆっくりできなかった*4ので、書くことがありません。

まあ夏休みとかにも行けたらいいなとか思っていたんですが、なんか訳のわからないなんやらが大流行なので、なにもしてません。

つまり書くことがないってことですね。

ただまあ、RNゲ*5がまあまあ溜まっているし、ぽつぽつそれっぽいことをTwitterで言っていると、PePe*6とかいう神も割と機運があるとのことなので、なんか収まったときに行けたらいいなあと勝手に思っています。

まあそんな全部走りたいみたいな人間は多分ほとんどいないので、ところどころ乗せたり降ろしたりしながらも、長期的に借りて1周*7みたいなのできると嬉しいですね(誰かなんかあったら声かけてください、お願いします)。

本題(蛇足)

 去年はなんか特殊相対論についてちょっと喋ったらしいですね。

もう読み返すのも嫌だし、書いてあることも多分正しくありません。

もうなんなんだよ。

そんなものを人様が見るようなところに載せるなよ。

流し読みでも読んでくださった方々、本当にありがとうございます。

でも基本的に無なので、適当でもこんなものしか書けません。

今回もその系統で、ラグランジアンとかいうのについて、自分が考えていることをメモのつもりで書いておこうかなと思います。

まあつまり、ラグランジアンがどこまで決定できるのか、書けたらいいなあです。

多分書けません。

現段階で解析力学まわりを「完全に理解した」わけでは全く無いので、誤りを含んでいる可能性が多分にあります。

どちらかというと、勘違いしているところを指摘してもらえたら、超ハッピーくらいな気分で書いてます。

で、前回みたいなの書くと、自分でも嫌になるので、なんか考えていることを大体で書いておくみたいにしておきたいと思います。
という予定だったのですが、普通にだいぶ量多くなりました。

あとはまあ重要といえば重要なんですが、古典の、それも狭い範囲の話しかしません(相対論にも手を出さないし、量子は手に負えない)。

ラグランジアンとは?

そもそもラグランジアン(Lagrangian)ってなんだよってなる人もいますよね。

そのためには最小作用の原理*8から説明しないといけないらしいです。

なんか物理量*9っていうのは、元々それぞれ別の、方程式とかを満たすように値を取るんですが、そんないろんな方程式じゃなくて、ラグランジアン L(関数)と物理量から求まる、作用 S汎関数)を停留させるような物理量が実現されるって考えれば、全部うまく説明できるよっていうのが、最小作用の原理です。

なんか、物理量が場なのか、そうでないかによって少し変わるんですが、もう少し具体的に書くことにします。

まず、ある物理量(複数でも構わないが、例としてここでは A)の時刻 t_0から時刻 t_1までの時間発展を求めたいとします。

そのとき、物理量Aと1階(偏)微分 \partial A 、あとは時刻 t(それぞれ独立としてとりあえず扱う)による関数として、ラグランジアン L(A, \partial A, t)を持ってきます。

しかし、実際は物理量 Aは自由気ままに値を取るわけではなく、時刻 tの何かしらの定まった関数になっているはずです。

そこで、その関数の形を決めたいのですが、そのときに、ラグランジアン Lと、実際に時刻 tのある関数として振る舞う物理量 A(t)から計算できる、汎関数として、作用

\begin{align}
S[A(t)] := \int_{t_0}^{t_1} {\rm d}t L(A(t), \partial A(t), t)
\end{align}

を持ってきます。

これは見るとなんとなく想像がつくように、物理量 A(t)の形によってとる値を変えます*10

ここでは、ラグランジアン Lとは違って、 Aは時刻 tの関数だし、 \partial A A微分で、それぞれ独立ではなくなります。

で、実際に実現するのは、この作用を停留させる*11ような A(t)である、というのが最小作用の原理です。

ただし、変分を取るときに、端点とか表面では変分が0になるようにします。

つまり、端っこではある値を取ると最初に決めてしまうわけですね。

ちなみにラグランジアンに1階微分までしか入ってこないのは、実際に観測を通してみて、物理的には現在の値と、その1階微分さえ分かっていれば、それ以降の予測が立つと分かっているから、みたいです。

はい、もうここまででだいぶややこしいですね。

日本語書くの下手すぎるだろ。

まあこの最小作用の原理を満たす A(t)を求めるときに、ラグランジアン Lから直接求める方法があって、それがEuler-Lagrange方程式ですね。

ここでは別にあまり関係ないので説明は省きます。

ラグランジアン自体の性質

ここまでで一応どういう文脈でラグランジアンが出てくるのか、ということを最低限説明しました。

でもここまでだと、ラグランジアン自体がどう決まるのかよく分からないですよね……。

まあその候補を、ある程度まで絞るっていうのが本題なんですが、とりあえずその前に、ラグランジアンが持つ性質について考えてみたいと思います。

そもそもラグランジアンって結局の所、今考えている系の情報を全部持っているような関数なんじゃないかなと思うわけです。

実際そこから物理量を決定できるわけですし。

ただ、「思うわけです」というのは、そもそもその考えが、「そりゃそうだろ」というものなのか、「いや違うだろ」というものなのかを判断することが、僕にはできないからです。

有識者の方、教えて下さいす。

それで、本当にラグランジアンが系の情報をそのまま反映しているなら、その系の物理的な特性をそのまま反映しているだろう、と考えることができます。

まあつまり、大体の物理系の場合は、時間並進対称性*12があって、ラグランジアンもそれに対応した形になっているし、相対論で考えるなら、相対論的に共変*13な形で書けるだろうといった感じですね。

つまり、この対称性とか共変性といったものを基準にして、ラグランジアンを決定するわけです。

他にもあって、これはついこの間までずっと悩まされていたんですが、どうやら同じ系であれば、ラグランジアンは共通のものを使えば良いみたいです。

物理量が粒子の位置で、系の自由度が Nの場合で、ちゃんと言っておくと*14、最初座標系 q = (q_1, q_2, \cdots, q_N)で書かれたラグランジアン L(q, \dot{q}, t)があったときに、それを q^{\prime} = \psi(q, t)(ただし \psi全単射)で座標変換した場合、その座標系で見たラグランジアン L^{\prime} L^{\prime} (q^{\prime}, \dot{q}^{\prime}, t) = L(\psi^{-1}(q^{\prime}, t), \dot{\psi^{-1}}(q^{\prime}, \dot{q}^{\prime}, t), t)と書ける、ということです。

ここで言っているのは、物理量の測り方には、いろいろなやり方があって、(というのも、座標系の選び方が無数にあるので)どれを使ってもラグランジアンは共通のものを使い回せるということです。

共変な形で書けていれば、全て(テンソル解析で言うところの)スカラー量になっていて、見れば一発で座標系の取り方には依らないことが分かります。

しかし、そうじゃなくても結局、元の表し方に、今の表し方をそのままぶちこめば大丈夫だよ、ということです。

最後に、ラグランジアンには不定性があって、物理量 Aと時間についての関数 f(A, t)の、時間完全導関数が足されていても、同じ状況を表します。

\begin{align}
L^{\prime} (A, \partial A, t) = L(A, \partial A, t) + \frac{{\rm d}}{{\rm d}t}f(A, t)
\end{align}

と書けるようなときは、 L^{\prime} Lは同じ物理状況を表します。

さすがに省略するんですが、 L^{\prime} Lを作用にぶち込んでみて、実際に変分を計算すると、 fの時間についての完全微分項がきれいに消えます。

この f微分するときは、結局作用を計算するところで消えることが重要なので、 A \dot{A}は独立でなく、 A微分するときには \dot{A}として扱います。

上の場合、 L L^{\prime}の物理的な状況は同じなので、以降はそういう場合

\begin{align}
L(A, \partial A, t) \equiv L^{\prime} (A, \partial A, t)
\end{align}

と書くことにして、 \equivの右辺側で左辺側を定義し直すことを、あまり気にせずやります。

何も書いてなくても、そういうことやってるのかと思ってください。

ラグランジアンの決定

ここからは非相対論的な粒子系のラグランジアンに限って話を進めます。

それも多粒子系のみ扱います。

そのためには、何かと便利なので、デカルト座標系を用いることにします。

あとは、一般相対論を考慮しない場合は、慣性系が基本になっているので、基本的に慣性系で考えます。

場の場合もできたらいいんですけど、さすがに力尽きる気しかしません。

では。

時間並進対称性

これは計測している時刻を t \to t + \Delta tしても、物理的には違いがないという対称性です。

まあ見たまんまですが、時間をずらして同じことをしても、結果がおなじになるということですね。

ここはまだ物理量を粒子の位置(デカルト座標)に限らなくても話が進むので、今までと同じ形式を用います。

これをラグランジアンに適用すると、

\begin{align}
L(A, \partial A, t + \Delta t) \equiv L(A, \partial A, t)
\end{align}

にならなければならないということになります。

しかしこれを一般の場合で考えるのは、まあ僕にはできないので、とりあえず \Delta tを微小量  \delta t として、その1次だけを持ってきて、上の条件を満たすための条件を考えることにします。

\begin{align}
L(A, \partial A, t + \delta t) = L(A, \partial A, t) + \frac{\partial L}{\partial t} \delta t + O(\delta t^2)
\end{align}

なので、それが元の L \delta tの1次までで、 \equivで結ばれるためには、ある関数 f(A, t)が存在して、

\begin{align}
\frac{\partial L}{\partial t} = \frac{{\rm d}f}{{\rm d}t}
= \frac{\partial f}{\partial t} + \frac{\partial f}{\partial A} \dot{A}
\end{align}

を満たせば良いことが分かります。

これはラグランジアン

\begin{align}
L(A, \partial A, t) = F(A, \partial A)
+ \int {\rm d}t \left( \frac{\partial f}{\partial t} + \frac{\partial f}{\partial A} \dot{A} \right)
\end{align}

という形で書けていればいいということです。

ここで注意しておきたいのは、このラグランジアンの形は、ラグランジアン時間偏微分から来るものなので、 t積分 A \partial A tを独立なものとして積分するということです。

ここまで来ると、だいぶ記号類が見にくくなっているので、一応整理しておくと、微分に関しては、全微分のときは A微分 \dot{A}と扱い、偏微分では全て独立、積分も全て独立と思って用いることにします。

すると、

\begin{align}
\int {\rm d}t \left( \frac{\partial f}{\partial t} + \frac{\partial f}{\partial A} \dot{A} \right)
&= \int {\rm d}t \frac{\partial f}{\partial t} + \dot{A} \int {\rm d}t \frac{\partial f}{\partial A} \\
&= \frac{\rm d}{{\rm d}t} \int {\rm d}t f(A, t)
\end{align}

と書き換えられます。

これは単に、 A tの関数 f tに関してのみ積分した関数の、時間全微分になっています。

つまり、

\begin{align}
L(A, \dot{A}, t) = F(A, \partial A) + \frac{\rm d}{{\rm d}t} \int {\rm d}t f(A, t)
\equiv F(A, \partial A)
\end{align}

であり、時間並進対称性がある場合には、ラグランジアンは時刻 tについて陽には依存しないものとして扱って良いということになります。

結局、

\begin{align}
L = L(A, \partial{A})
\end{align}

と書けることが分かります。

この条件は、時間を微小にずらした場合の1次が消えるという条件から出してきたものですが、いま形を見れば分かるように、こうなれば微小並進でなくても、並進対称性があることがすぐに分かります。

で、この時間並進対称性なんですが、多分人間が手で変な状況を設定してやらない限り、基本は破られていることはないと思います。

だから大体の場合、ラグランジアンには t依存性がないんじゃないかなと思われます。

多粒子系ではこの対称性があると考えられているので、以後 tに関しては陽に依存していないものとして考えます。

空間並進対称性

はい、ここからはさすがにデカルト座標使います。

見やすく言っておくと、

\begin{align}
L = L \left( \vec{x}, \dot{\vec{x}} \right)
\end{align}

ってことです。

ここで \vec{x}というのは、 \vec{x}_iを全て列挙している気持ちです。

それで、空間並進対称は、時間並進対称の空間版ですね。

簡単に言うと始点と終点どこ選んでも、相互の位置関係が同じなら、軌道は同じ形ってことです。

具体的には \vec{x} \to \vec{x} + \Delta \vec{x}の変形をしても、ラグランジアンは等価になります。

ここでも同じように、 \Delta \vec{x}を微小量 \vec{\varepsilon}にして、1次までで考えることにします。

\begin{align}
L \left( \vec{x} + \vec{\varepsilon}, \dot{\vec{x}} \right) = L \left( \vec{x}, \dot{\vec{x}} \right)
+ \sum_{i} \vec{\varepsilon} \cdot \frac{\partial L}{\partial \vec{x}_i} + O(\vec{\varepsilon}^2)
\end{align}

なので、ある関数 \vec{g} (\vec{x})が存在して、

\begin{align}
\sum_i \frac{\partial L}{\partial \vec{x}_i} = \frac{{\rm d} \vec{g}}{{\rm d}t}
= \sum_i \frac{\partial \vec{g}}{\partial \vec{x}_i} \cdot \dot{\vec{x}}_i
\end{align}

となっていれば良い、ということが分かります。

ここでギブアップしました。

ここから一般的な条件与えられますか……?

僕には無理だったので、ちょっと2つに分けて誤魔化します。

1つは、ラグランジアン \vec{x}_i - \vec{x}_j依存しかなければ、偏微分とって和を取れば消えてくれる、もっと言えば、そもそも \vec{x} \to \vec{x} + \Delta \vec{x}の時点で何も変化しないので、それは残るだろうなあということ。

2つは、和を取る前の各 iの項が、左辺と右辺で等しくなれば消えるので、全てそうであることにしようということ。

本当はそれ以外にも両辺が等しくなる場合がありそうですが、そこをどううまく書き解せるのか分からなかったので、誰か何かあったら教えて下さい。

それで2つ目なんですが、言っているのは

\begin{align}
\frac{\partial L}{\partial \vec{x}_i} = \frac{\partial \vec{g}}{\partial \vec{x}_i} \cdot \dot{\vec{x}}_i
\end{align}

ということなんですが、 \dot{\vec{x}}_i内積を取っている部分に \vec{x}_j \ (j \neq i)が含まれていると、積分して Lを求めたときに、 \vec{x}_j依存はそのままなにも変わらずに残って、 \dot{\vec{x}}_i内積を取ることになるんですね。

これを \vec{x}_j偏微分すると、 \dot{\vec{x}}_iとの内積の項が出来てしまって、和を各 iに分割できていないことになってしまいます。

つまり、 \dot{\vec{x}}_i内積を取っている項には、 \vec{x}_i依存しかありません。

だから、また新しく \vec{g}_i (\vec{x}_iを用意してやることで、

\begin{align}
\frac{\partial L}{\partial \vec{x}_i} = \frac{\partial \vec{g}_i}{\partial \vec{x}_i} \cdot \dot{\vec{x}}_i
\end{align}

と書き直します。

すると、

\begin{align}
L \left(\vec{x}, \dot{\vec{x}} \right) = G \left( \vec{x}_i - \vec{x}_j, \dot{\vec{x}} \right)
+ \sum_i \vec{g}_i \left( \vec{x}_i \right) \cdot \dot{\vec{x}}_i
\end{align}

のようにラグランジアンを書けることが分かります。

この \vec{g}_i j成分がもし \vec{x}_i j成分のみに依っていれば、それは時間に関する完全微分で書くことができるので、消すことが出来ますが、ここまでの条件ではそこまでは言えません。

またここまでの条件は、微小並進に対してのみで考えているので、一般の並進でも対称性を保つためには、少し変更を加えないといけません。

1項目は先程も述べたように、明らかに一般の並進に対しても対称性があります。

問題は2項目で、 \vec{g}_i \vec{x}_iについての2次の項があれば、

\begin{align}
x_{ij} x_{ik} \dot{x}_{il} &\to
\left( x_{ij} + \Delta x_j \right) \left( x_{ik} + \Delta x_k \right) \dot{x}_{il} \\
&= \left( x_{ij} x_{ik} + x_{ij} \Delta x_k + x_{ik} \Delta x_j + \Delta x_j \Delta x_k \right) \dot{x}_{il} \\
&\equiv x_{ij} x_{ik} \dot{x}_{il} + \left( x_{ij} \Delta x_k + x_{ik} \Delta x_j \right) \dot{x}_{il}
\end{align}

となり、第2、3項が消えるためには、 j = k = lになっていなければなりません。

3次以上でも同じで、結局並進対称性を保つためには、 \vec{g}_iには \vec{x}_iの1次までしか入れられないことになります。

ここまですれば、一般の空間並進に関して上の形まで、ラグランジアンの候補を絞ることが出来ます。

多粒子系では、この空間並進対称性も破られないだろうと考えられているので、ここからは上のように書けるラグランジアンを用いて考察していきます。

空間回転対称性

今度は空間回転対称についてです。

まあこれも今までとだいたい同じで、始点と終点回転させたら軌道も同じだけ回転させたものが解になるってことです。

式で書いておくと、回転行列 R \ (R \ {}^t \! R = I)を用いて、 \vec{x} \to R\vec{x}の変換をしても、ラグランジアンが同等になる、つまり

\begin{align}
L \left( R\vec{x}, R\dot{\vec{x}} \right) \equiv L \left( \vec{x}, \dot{\vec{x}} \right)
\end{align}

となる、ということです。

回転の場合は今までと異なり、項が付け加わったりするわけではないので、時間微分を作って落とすことは出来ません。

この場合に、一般の回転に関してラグランジアンが同等であるためには、ラグランジアンスカラー量になっていれば良いです。

この場合で簡単に言うなら、実際に Rで変換を受けるベクトル同士の内積という形になっていれば良い、ということです。

今考えているラグランジアンは、

 \begin{align}
L \left(\vec{x}, \dot{\vec{x}} \right) = G \left( \vec{x}_i - \vec{x}_j, \dot{\vec{x}} \right)
+ \sum_i \vec{g}_i \left( \vec{x}_i \right) \cdot \dot{\vec{x}}_i
\end{align}

という形なので、これがスカラー量であるためには、それぞれの依存性が少し変更を受けます。

 \vec{x}_i - \vec{x}_j依存部分は、その内積つまり \left( \vec{x}_i - \vec{x}_j \right) \cdot \left( \vec{x}_k - \vec{x}_l \right)依存性に、 \dot{\vec{x}}依存性は、 \vec{x}_i \cdot \vec{x}_j依存性になります。

最後の項は、 \dot{\vec{x}}_i Rによる変換を受けることになりますから、 \vec{g}_iがベクトル量、つまり同じく Rによる変換を受ける量になっていれば良い、ということになります。

つまり、回転対称性を考慮すると、ラグランジアン

\begin{align}
L \left(\vec{x}, \dot{\vec{x}} \right) =
G \left( \left( \vec{x}_i - \vec{x}_j \right) \cdot \left( \vec{x}_k - \vec{x}_l \right), \vec{x}_i \cdot \vec{x}_j \right)
+ \sum_i \vec{g}_i \left( \vec{x}_i \right) \cdot \dot{\vec{x}}_i \qquad
(\mbox{ただし}\vec{g}_i\mbox{はベクトル量})
\end{align}

という風に書き直せることになります。

これも多粒子系では基本的に満たされると考えられているので、以後はこれを用います。

Galilei変換対称性

はい、非相対論的な古典力学では、このGalilei変換対称性が満たされるとされています。

これは、Galileiの相対性原理と呼ばれている、慣性系とそれに対して等速運動している系の物理は変わらない、という要請に基づいた対称性です。

ちなみに、相対論的に考える場合は、ここの対称性をEinsteinの相対性原理を満たすように変更します。

式で書くと、任意の速度ベクトル \vec{V}に対して、

\begin{align}
\vec{x} &\to \vec{x} + \vec{V} t \\
\dot{\vec{x}} & \to \dot{\vec{x}} + \vec{V}
\end{align}

という変換を施しても、ラグランジアンが等価になるということになります。

ここで、 \left( \vec{x}_i - \vec{x}_j \right)依存部分に関しては、見れば明らかなように、Galilei変換では特に変更を受けません。

また、 \vec{g}_i \left( \vec{x}_i \right) \cdot \dot{\vec{x}}_iに関しては、 \vec{g} \vec{x}に関して1次なため、この変換によって、

\begin{align}
x_{ij} \dot{x}_{ik} &\to
\left( x_{ij} + V_j t \right) \left( \dot{x}_{ik} + V_k \right) \\
&= x_{ij} \dot{x}_{ik} + x_{ij} V_k + \dot{x}_{ik} V_j t + V_j V_k t
\end{align}

となるんですが、これは j = kのときしか消せませんね(ほんま?)。

そもそも j = kの場合は、最初の段階で時間に関する完全微分の項になるので、つまりこれが対称性を保つ形であるためには、そもそも \vec{g} \cdot \dot{\vec{x}}の項がないということになりますね(本当ですか)。

ここもう分かりません。

本当は \vec{g}がベクトル量であることを使ったりすれば、もう少しゆるい条件が許されるのかもしれませんが、僕には分かりませんでした。

なので、とりあえず今回は消しておくことにします。

最後に、 \dot{x}依存性です。

ここではまた微小速度 \vec{\varepsilon}に関して1次のみを取ってきて、まず考えたいと思います。

このとき、

\begin{align}
&G \left( \left( \vec{x}_i - \vec{x}_j \right) \cdot \left( \vec{x}_k - \vec{x}_l \right), \left( \vec{x}_i + \vec{\varepsilon} \right) \cdot \left( \vec{x}_j  + \vec{\varepsilon} \right) \right) \\
= &G \left( \left( \vec{x}_i - \vec{x}_j \right) \cdot \left( \vec{x}_k - \vec{x}_l \right), \dot{\vec{x}}_i \cdot \dot{\vec{x}_j} \right) + 
\sum_{i, j} \frac{\partial G}{\partial \left( \dot{\vec{x}}_i \cdot \dot{\vec{x}}_j \right)} \left( \dot{\vec{x}}_i + \dot{\vec{x}}_j \right) \cdot \vec{\varepsilon}
+ O(\vec{\varepsilon}^2)
\end{align}

となるので、この第2項が時間の完全微分にならなければなりません。

この偏微分には \vec{x}_i - \vec{x}_j内積 \dot{\vec{x}}内積依存性がありますが、 \dot{\vec{x}}の依存性が入っていれば、 \dot{\vec{x}}の2次項が出てきて、時間微分では書けなくなります。

また、 \vec{x}_i - \vec{x}_j依存性が入っていた場合、 \left( \dot{\vec{x}}_i + \dot{\vec{x}}_j\right)で括れる形にはできません。

つまり、この偏微分は定数でならなければなりません。

したがって、定数 a_{ij}(ただし i jについて対称)、関数 Hを用いて

\begin{align}
G \left( \left( \vec{x}_i - \vec{x}_j \right) \cdot \left( \vec{x}_k - \vec{x}_l \right), \dot{\vec{x}}_i \cdot \dot{\vec{x}_j} \right) = \sum_{i, j} a_{ij} \dot{\vec{x}}_i \cdot \dot{\vec{x}}_j + H \left( \left( \vec{x}_i - \vec{x}_j \right) \cdot \left( \vec{x}_k - \vec{x}_l \right) \right)
\end{align}

と書けることになります。

これは、微小Galilei変換でなく一般のGalilei変換でも対称性を保っています。

結局、ここまでに考えてきた対称性を全て考慮すれば、ラグランジアン

\begin{align}
L &= L(\vec{x}, \dot{\vec{x}}, t) \\
&= \sum_{i, j} a_{ij} \dot{\vec{x}}_i \cdot \dot{\vec{x}}_j +
H \left( \left( \vec{x}_i - \vec{x}_j \right) \cdot \left( \vec{x}_k - \vec{x}_l \right) \right) 
\end{align}

というところまで、絞れることが分かります。

まとめ

ここまでやってきたんですが、よくないポイントとして、僕は数学に弱いので、本当にやっていることが正しいのかよくわからない、というのがあります。

合っていたら嬉しいんですが、まあ怪しいところは大量にあるので、誤りを修正できたらいいなあと永遠に思い続けることになるでしょう。

ただここでやったことで、というか解析力学に、もしくはラグランジアンに関して、ずっと疑問に思っていることがあって、こういう対称性の議論だけでそこまで綺麗にラグランジアンって決定できるんですかね?

今やったやつに関して言うと、例えば1粒子系に限れば、粒子間の相互作用もなくなるので、結局運動項だけが残って、お馴染みのやつがでてきますね。

ただ、1粒子だと定数に全く意味はないし、やっぱり定数に何かしらの意味を持たせるには、何かしらの相互作用を踏まえないと多分始まらないですよね。

物理は実証科学なので、そういうのはもちろん実験から分かった事実から、それと合うように色々うまくやっていくんでしょうけど、そのときにラグランジアンからスタートするのって、どういう分野でもできることなんですかね?

自分にできる範囲だけでしっかり考えると、いつも堂々巡りというか、結局物理量、観測量、相互作用ってガチでなんなんだよ、みたいになって終わるので、マジで誰か助けてくれ。

な~んも分かりません。

 

締め

以上になります。

ありがとうございました。

明日は最終日ですが、担当者は、今のところ決まっていません。

( まあ僕も最終的に3日後ろにずらしているので、何も言えません。)

*1:K-Enter(@K_EnterExit) / Twitter

*2:寿司屋の肉さん (@compact__disk) / Twitter

*3:トヨレンの片道GO!とかいうのを利用させてもらうために、名古屋→大阪→東京とかいうボケルートを通ることになったらしいです。

*4:これもだいたい僕のせいです。

*5:国道N号を走破したいという欲望。

*6:PePeさん (@pe67865249) / Twitter

*7:Twitterのbioにも書いてあるとおり、国道1→2→3→10→9→8→7→5→5→4→6のことです。ただ見て分かる通り問題があって、5号線だけ重複するんですよね……。良いルートがあったら教えて下さい。

*8:Hamiltonの原理とも。実はこちらの方が好きです。いちいち最小じゃないよと注釈するのは面倒だし、自分は不安になったので。

*9:実際に観測できる量。

*10:こういう関数の関数みたいなのを汎関数というみたいです。

*11:物理量を \delta A(t)変化(これを変分と呼びます)させたときに、作用の変化(変分)の \delta Aの1次項が0になる。

*12:時間をどこから測り始めても、物理的には変わらない。

*13:Lorentz変換をしても形が変わらない。

*14:多分本当にちゃんと言おうとすると多様体を挟むと思いますが、今回はスルーします。