岩盤浴行きてえ

 よく、「好き」の対義語は「嫌い」ではなくて「興味がない」なんて言われているが、そうだとしたら僕は電車に対して、全く、これっぽっちも興味がない。

 

 ここで「じゃあ電車乗るなよ」とか思った人は両目を抉り取られてマヨネーズをかけられた後ダチョウのエサにでもされればいい。確かに興味はないが、利用しないことはない。雨の中バイトへ行くときには必ず利用するし、実家へ帰省するときも専ら電車で移動する。実際、便利な交通機関だと感謝すらしている。

 

 でも僕にとってそれは、あくまで1つの移動手段に過ぎず、それ以上の価値を感じることはない。今これを書きながら乗っている熱海発東京行きの電車も、熱海から東京に時間通りに着くことだけが目的なので、それ以外の部分には何の魅力も感じない。目的を満たすなら飛行機でも車でも、なんなら徒歩でも構わない。僕の中で電車というものはそれほどに無価値だ。

 

 ここでいう「電車」とは、車両だけのことではなく、路線や駅、ダイヤ、歴史など、電車に関する情報をひっくるめたものを指している。(もしここで電車とか鉄道の定義なんかを指摘するようなやつがいれば、僕はそいつにスタバの存在しないメニューを教えて恥をかかせてやる。)「どの駅でどの路線が交わる」だとか、「この駅は昔これこれという名前だった」といった情報全てが、僕にとってはどうでもいいのだ。悪く言えば、これらはノイズでしかない。

 

  ところで僕は、本当に興味のない分野について語られることが嫌いだ。苦痛でしかない。あれに耐えられる人間はどこまでお人好しなんだろうと常々思う。

 

 もう少し詳しく言うと、1対1の会話で興味のない話を延々とされると、その話題、さらにはその話し手にまで、少なからず嫌悪感を抱くことがある。これをN対εNに拡張しても同じことが言える。つまり、他多数の人にとって興味のない話題を繰り広げる少数を嫌悪してる。(世間ではこういう人を「空気が読めない人」というのかもしれない。僕は空気が読めないという言葉が好きではないので使わないが。)

 

 これはとても自分勝手な意見だが、同じような気持ちになる人間は一定数、恐らく大勢いるだろう。共感できない人は多分この文章のどこを読んでも腹が立つだろうから、さっさとブラウザバックしてほしい。

 

 余談だが、純粋な知識の提供に関してはこの限りではないし、寧ろありがたい。例えば、○○駅から××駅に行く経路を知りたい時に、その経路だけを提供してくれるのは本当にありがたい。ただ、この情報に不純物、すなわち必要でない情報が混ざることは嫌いだ。自販機でコーラを買ったときに割り箸が付いてきても嬉しくないのと同じだ。

 

 つまり何が言いたいかというと、鉄道オタク(これは特定の人物を指す訳ではない)がウンチクや知識イキリをする時、僕はそのオタクに嫌悪感を抱くことがまあある。

 

 非常に失礼で自分勝手なことは重々承知だが、僕はそういう人間なので仕方がない。

 

 これは鉄道オタクに限った話ではなく、任意の物・ことに対するオタクにいえる。音楽理論に疎い僕に音楽の知識をひけらかすオタクが苦手だし、求めてもいない割引の情報を寄越す引っ越し屋のチラシが嫌いだ。そもそも鉄道オタクを例に挙げたのも偶然で、18きっぷの旅に飽きて電車に嫌気が差し始めたのが原因だ。状況が状況なら引っ越し屋のチラシの話をしていただろう。

 

 

 それはそうと、世の中には他人にひたすらアイカツ!の視聴を促す気持ち悪いオタクがいるらしい。もし僕がアイカツ!に興味がない人間なら、そのマーケティングは非常に目障りで、「アイカツ!第71話『きらめきはアクエリアス』」なんていう話数覚えてますよ自慢も反吐が出る。邪魔だし即刻消えて欲しい。

 

 人の振り見て我が振り直せとはよくいったもので、一度他人を測る尺度で自分を見つめなおすと、多くの発見があるものだ。

 

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