カラアゲ考

数日前の出来事である。
翌日の授業が午前中で終わるのをいいことに徹夜でレポートを仕上げ年内の課題からすべて解放されたその男は、早く寝たいの一心で家路についていた。ガス欠を起こしていたであろうその男の脳内は、さぞかしシンプルなものであったに違いない。

そんなモノトーンの小宇宙に突然割って入ってきたものがあった。


『カラアゲ』である。


カラアゲ。漢字で書くなら、唐揚げ。

食堂で腹を満たした帰り道。突然の来訪者は食欲がもたらしたものではなさそうだ。頭の中の奴は、一番のターゲットであるはずのそれに全く働きかけてこない。

刹那、小宇宙のカラアゲがビッグバンを起こす。

幼少期、母方の実家の近所にあった精肉店で一山の唐揚げを買って食卓に供されていた懐かしい記憶がフラッシュバックしたかと思えば、唐揚げと竜田揚げの違いはどこにあるのだろう、という疑問が浮かび、その疑問はフライやフリッターにも広がっていく。確か微妙に作り方が違った気がするが、その違いが思い出せずに悶々としている後ろから、かつて好物だったメヒカリの唐揚げの記憶が浮かび上がってきた。唐揚げの「唐」はやはり国の唐からくるのだろうかなんて邪推してみたり、サクサクの衣としっとりとした衣の優劣を案じてみたり。「唐揚げのやべーやつ」なんて呼ばれる女性声優も幾度となく横切った。


そんな思考の洪水は、帰宅と同時に睡眠欲にせき止められ、思考の主はしばし活動を停止した。

 


さて、数日後の立場から顧みているわけであるが、なぜ唐揚げか、というのは種明かしをしてみれば火を見るより明らかで、その日から数えて2日後、すなわち現在から見て昨日に、揚げたての唐揚げを肴に宅飲みをしよう、などと企画していたからに他ならない。そんなこんなで準備を進めていたから、ふとした瞬間に単語だけが浮かぶのも頷けるという話であるのだ。
さらに言えば各種揚げ物の定義の違いに関しても、今私の目の前にある画面で調べれば数分とかからずに答えが得られるものであった。
なんともシンプルな話である。

 


唐揚げという、いわばとりとめもないひとつのワードを基に思考が放射状に広がっていくこんな現象は、もしかしたら普段無意識下に行っていたのかもしれないが、実際にそれを意識するとある種の感動さえ覚えるものだ。

 

 

余談ではあるが、件の唐揚げ会は約4kgの鶏肉が7人の男たちの胃袋に吸い込まれる形で終了した。2kgで済ませるはずが伝達ミスで倍になったときにはどうなることかと慄いたが、ゴミにならず胸をなでおろしてお開きとなったのである。

 

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はいどうも、だっしゅです。
ついこの前1周目の記事を書いた気がするというのに、もう2周目が回ってきてしまいました。時の流れは速いですね。

 

趣味のダンスの話をしていた前回とはうってかわって徒然なる思考の垂れ流しをろくに推敲せずに書いたのでよくわからない文章になっていますね。とくに前半。このブログにも似たような文章はいくつかありますが、知性も知識もないような人間がうわべだけ猿真似でなぞったような文章がかように気持ち悪くなるものか、と思わなくもないのですが、このような駄文でもここまで読んで頂いた皆さまには感謝を申し上げます。

 

そして今日は大晦日。2周目の終了が1年の締めくくりだというのになぜお前は唐揚げの話をしてるんだ、という感じではあるのですが、折角こんな節目の日に回ってきたので、来年の抱負でも少し書き残しておきましょうか。

 

 

私事ではありますが、来春には私は4回生になり、順調にいけば研究室配属がなされ、そのまま夏には大学院の入学試験が控えています。つまり、4年ぶりに受験生になるわけです。モラトリアムを送ってきた今までの3年間と比べれば大きく様変わりすることでしょう。とはいいつつも、自身の中に知識体系が構築されていく快感に何度も取り憑かれてきた私としてみれば、かつてない壮大なプロジェクトを前に期待と不安が入り混じる不思議な感情です。

 

そんな中ではありますが、やはり創作面においてもやりたいことというのは尽きません。年末に駆け込みではありますが初めて自分で動画を録ってニコニコ動画に投稿することができましたし、今後も自分の活動には精力的になっていきたいなあと思っています。その媒体が動画でも、ステージでも、文章でも、根本のところは変わらないのですから、それらの活動を行う時間的・肉体的・精神的余裕というものをもちたいのです。そんな意味で私の2018年の目標は「要領よく生きる」とでもしておきましょう。

 

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さて、これが書き上がるころには我らが910プロの冬コミも撤収しているのでしょう。東京組の皆さんお疲れさまでした。

 

そしてさらに数時間もたてば日付が変わります。

そうすればみなさん、お分かりですよね?

 

そう、しんねn私の担当アイドルのひとり、道明寺歌鈴の誕生日です。

それではみなさま、よいお年を。